英語民間試験の導入を断念!?

2021年6月23日 水曜日



昨日の夕刊の一面で、文科省が英語民間検定試験の大学入学共通テストへの導入断念を正式に決定する見通しであることが報じられていました。

そもそも英語民間試験を大学入試に導入するこの計画は、本来今年1月に行われた共通テストから実施される予定でしたが、見送りとなった経緯があります。それまでのリーディングとリスニングに偏った大学入試試験の在り方を疑問視し、英検などの英語民間試験を入試に導入することで「読む・聞く・書く・話す」の4技能を効率的に測ることが出来ると、鳴り物入りで導入が検討されてきましたが、断念の理由は「試験会場が都市部に偏在して地方での受験機会が制限される」「高額な受験料の補助が不十分で困窮家庭の受験生が不利になる」とありました。

文科省は当時、大学入試改革の目玉としてこの計画を発表したわけですが、大風呂敷を広げる前にそうした可能性を考えなかったのか、なんとかならないのか、と本当に疑問に思います。有識者会議では、英語民間試験は各大学の個別入試で活用するのが望ましい、とまとめたそうですが、責任転嫁の苦しい言い逃れにしか聞こえません。

英語の知識ばかりを詰め込むのではなく、日本人の「英語を使う力」を伸ばすため、小・中・高の学校では英語教育改革がまさに始まったばかりです。しかし大学入試が変わらなければ授業を変えることに抵抗を感じる学校も出てくると思います。やっと動き出した日本の英語教育改革に水を差さないことを願うばかりです。

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