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みなさんは英会話スクールイームスの名前の由来をご存じでしょうか。先日、中学生クラスでEEMSSが何の略語かをお話しする機会がありました。EEMSSは「English for Everyone at Mishima Shingaku Seminar」の頭文字を取った略語です。
イームスは2008年、静岡県東部の大手進学塾「三島進学ゼミナール」が始めた英会話スクールです。立ち上げの前年である2007年には、大手英会話スクールNOVAの破綻がありました。NOVAはそれまでの英会話ブームを追い風に急成長していましたが、そのビジネスモデルには大きな問題がありました。生徒から先に受講料を受け取り、後でレッスンを提供するという「前払い受講料制度」で事業を拡大していたのです。ところが、最高裁判所がNOVAの契約返金条件を違法と認定したことをきっかけに悪評が広がり、生徒の解約・返金請求が急増しました。これにより資金繰りが急速に悪化し、破綻したと言われています。
破綻時、NOVAの手元には資金がほとんど残っていなかったため、生徒による返金の取り付け騒ぎのような現象が起きたり、働いていた講師への給料未払いが社会問題化したりしました。そんな中、三島進学ゼミナール当時の塾長の「大手英会話がそんなにひどいのなら、うちで地域の皆さまが安心して通える誠実な英会話スクールを作ろうじゃないか」という思いから、立ち上げが決まりました。当時私はゼミナールの講師をしておりましたが、塾長の「英会話事業に参画したい者は名乗り出よ」という言葉に応じて立ち上げプロジェクトに加わり、講師兼マネージャーという形で英会話スクールイームスに携わることとなりました。EEMSSという名称は、その際に私が付けたものです。
ところが、2008年8月に立ち上げたまさにその年の11月、三島進学ゼミナールは株式会社さなるによって吸収され、佐鳴学院グループに加わりました。その後、塾の名前は三島進学ゼミナールのまま残りましたが、経営はさなるに変わり、新経営陣による事業見直しが行われました。そして立ち上げ間もなく、たいして利益を生んでいなかった英会話スクールイームスは、開校2年ほどで閉校する方針となったのです。これが第一の危機です。
その際、私は新しい塾長から「君にはまたゼミナールの講師に戻ってもらうことになるが、もし会社を辞めて自分でイームスを引き継ぐというのなら、それは応援するよ」と言われました。私の心はその瞬間に決まりました。しかし、小さい子どもが2人おり、妻もパート程度の収入しかないという家庭事情もあって、安定した会社員生活を辞め、成功の保証のない事業を運営することに、当然ながら妻は不安を感じていたようでした。
数日考えた後、私はゼミナールを辞めてイームスを引き継ぐ決意を伝えました。そして2010年12月にゼミナールを退職し、翌2011年1月からイームスの運営を開始しました。ところがその直後に第二の危機がやってきます。その年の3月、あの東日本大震災が起きたのです。さらに福島第一原子力発電所でメルトダウンが発生し、電力不足のため計画停電が行われることになりました。そのニュースを聞いた時、私は青くなりました。計画停電でレッスンが行えなくなるのです。しかも、それがいつまで続くのかもはっきりしていませんでした。独立したばかりで、ろくに運転資金も貯えもない私には祈ることしかできませんでした。「なんで自分がイームスを引き継いだ瞬間にこんなことになるのか・・」と恨めしい気持ちにもなりました。
ところが幸いにも、計画停電は当初予定されていたほどの規模や期間では実施されず、その影響は軽微にとどまり、なんとかピンチを脱することができました。
以来私は、大手英会話スクールを反面教師として生まれた英会話スクールイームスの精神を守り、「安心・誠実・生徒中心」のスクール運営を行ってきました。その結果、生徒数も順調に増え、2020年度は約240名の生徒数でスタートする予定でした。
しかし、ここでまた大きな試練を迎えます。そう、コロナパンデミックです。人々は外出を控え、STAY HOMEを求められ、学校は閉鎖されました。こんなことが起こるなど、誰が予想できたでしょうか。人と接触してはいけないという状況の中、対面の英会話など最も控えるべき行動の一つと言えるでしょう。この時は、立ち上げ時に比べれば資金的な余裕は多少ありましたが、イームスは会社規模としては箸にもかからない零細企業です。また生き残るための道を模索する日々が始まりました。
そんな時、ある生徒さんからZoomのことを聞きました。何か月もスクールを閉めるわけにはいかない。これしかない、と思いました。オンラインでレッスンなど考えたこともありませんでしたが、必死に調べ、何度もテストを重ね、不安もありましたが、短期間でレッスンをオンラインで行える環境を整え、生徒の皆さまに周知しました。ちょうど新学期準備のスクールホリデー期間で準備時間があったのは幸運でした。
しかしその春は、新学期を待たずして退会希望者は日に日に増え、新年度開始時には退会者は全生徒数の約3分の1にあたる約70名弱にのぼりました。
当初は数か月の辛抱で、オリンピックが開かれる夏ごろには通常の生活に戻り、生徒さんも帰ってきてくれるだろうと考えていました。しかしオリンピックは1年延期され、パンデミックは私の想定よりはるかに長く続くこととなりました。マスク、パーテーション、換気、アルコール消毒など、できる限りの感染対策を行い、なんとか対面レッスンを実施できるようにはなりましたが、季節に関係なく数か月に一度訪れるコロナ感染者数増加のたびにオンラインへ切り替えるという状況が数年続きました。
そんな状況の中でも通い続けてくださった生徒の皆さまには、本当に感謝の念しかございません。
こうして振り返ってみると、何度か訪れたピンチを乗り越えてこられたのは運が良かったこともありますが、どんな時でもスクール運営にご理解・ご協力をいただいてきた生徒の皆さまの存在が本当に大きかったと感じています。
イームスは今年18周年を迎えます。困難はまた訪れるでしょう。しかし、それらをひとつひとつ確実に乗り越え、生徒の皆さまとともに地道なスクール運営をこれからも続けてまいりたいと思います。