英語民間試験の導入が延期に!


来年度(2020年度)の大学入試から実施予定であった「大学入試英語成績提供システム」の導入(いわゆる英語民間試験の導入)が見送られることとなりました。文科省の萩生田大臣が11月1日の会見で「自信を持って受験生の皆さんにおすすめできるシステムになっていない」とし「2024年度を目指し制度自体の抜本的な見直しを行う」と話しました。問題となっているのは受験機会格差などの公平性が疑問視されていることです。

 

これを受け、驚いたのと同時に様々な方面から「やっぱりな」という声が上がりました。そもそも形式、配点、実施会場、回数などが違う複数の運営団体によるテスト結果をセファール(CEFR)という物差しひとつを頼りに優劣を付けようというのはかなり強引で、公平性の面で無理があるのは初めから分かっていたはずです。7月2日にはTOEICが「責任を持って対応を進めることが困難」として大学入学共通テストへの参加を取り下げたばかりでした。

 

このタイミングでの延期は遅すぎる、との声が多いですが、2020年度の大学入試を現役で受けるのは現在の高校2年生で、受験まではまだ1年以上あり対応は十分可能だと思います。恐らく一番可哀そうなのは今年度の受験生でしょう。現在の高校3年生はセンター試験を受ける最後の学年です。もし浪人したら新テストのための勉強をやり直さなければならないので「絶対浪人できない」という思いから「入りたい大学」ではなく「入れる安全校」を選ぶ受験生が多いと聞きました。来年度、英語の民間試験がないと知っていたら志望校は変わっていたかもしれません。

 

今回は一応「延期」という形ですが、では5年後にはこれらの問題点が解消され公正さ、公平さが担保される制度となるかは極めて不透明で、文科省の言う「制度自体の抜本的見直し」は民間試験の導入そのものを取りやめることも視野に入れているのではないかと思います。そうは言っても日本の英語教育は過渡期にあり、英語の能力は4技能を持って評価すべきという方向に変化はないと思いますので、いずれにせよライティングやスピーキングが重要になってくるのは間違いありません。

 

イームスの中学生、高校生の生徒の皆さんには、将来的に高校入試や大学入試がどんな形になったとしてもそんなことに影響を受けない真の英語力を養って欲しいと願っております。


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